「障害者福祉制度の充実に関する意見書案」に対する賛成討論
No.6
私は、日本共産党議員団を代表して、ただいま上程されています「障害者福祉制度の充実に関する意見書」(案)について討論いたします。
障害者のくらしと願いに背を向けて自民党・公明党が強行した「障害者自立支援法」が昨年4月に施行されてから1年半が経過しましたが、当初懸念されていた問題が現実のものとなっています。障害者、関係者の粘り強い運動と国民の世論に押され、国は昨年12月に1200億円の「特別対策」を打ちました。負担が軽減されたところもありますが、定率1割負担のしくみそのものは変わらず、根本的な解決にはなっていません。障害者が当たり前に生きるために必要な医療やサービスをうけるのにお金がかかる、障害が重い人ほど負担が大きい、応益負担をやめるべきです。
定率1割負担の導入で、授産所に通う人は月1万から2万円の負担、多い人では3万円以上の負担となり、わずかばかりの障害年金と工賃収入の多くが支払いで消えています。施設サービス利用の人は「利用料が払えないから施設利用を減らした」「給食を断っている」「外出をひかえるようになった」など自立を阻害されている厳しい実態がひろがっています。厚生労働省の調査でも、施設利用を中止せざるを得なくなった人は全国で1625人にものぼるという実態が明らかになっています。また、障害者施設・事業所の収入は自立支援法実施以前に比べると1〜2割も減収になっているところが半数以上です。「利用料を滞納している人がいるが、行き場がなくなるので利用を拒むことは出来ない」と収入が減っても利用者や職員への犠牲を回避するために必死で努力されていますが、「土曜・祝日の開所などで営業日数を増やす」その一方で「利用者が楽しみにしている一泊旅行をやめる」などの対応を迫られたり、職員には「賃金や一時金のカット」「正規職員を非正規職員・パートにきり替える」などを余儀なくされています。障害者に向き合う仕事にやりがいを感じて就職しても「仕事がきつい上に賃金が低い」「非正規の採用枠しかなく将来が不安だ」と1年間に2割近くも職場を離れる人が出る状況です。このように報酬単価の引き下げと日払い方式への変更は、事業所経営を脅かし、職員の労働条件の引き下げ、人手不足の深刻化など障害者支援体制を維持することすら困難に追い込んでいるのです。
いま、施設や事業所、多くの障害者や関係者からは、法そのものの抜本的な見直しを求める声があがっています。政府与党も制度の見直しを言わざる得なくなってきています。福田首相は「希望と安心」を強調していますが、障害者や家族の安心を考えられているなら、定率1割の「応益負担」こそ撤回すべきです。
障害者自立支援法の応益負担の撤回はもとより、報酬単価の引き上げなど障害者自立支援法の抜本的な見直しを強く求め、討論といたします。