「イラク占領に反対し自衛隊の撤退を求める意見書」の提案説明
No.3
日本共産党市会議員団は「イラク占領に反対し自衛隊の撤退を求める意見書」を提案していますので、提案理由を説明します。
イラク戦争の開戦から1年が経過しました。戦争反対の国際世論に挑戦し、米英軍によって開始されたこの戦争は、国連憲章を真っ向からふみにじる無法な侵略戦争でありました。米英軍が戦争開始の最大の理由とした「大量破壊兵器」はいまだに発見できないばかりか、米国のイラク調査団長は「もともと存在しなかった」と証言し、ポーランドの大統領は「作り話にだまされていた」と批判しています。世界を欺いて無法な戦争を開始した米英両国政府と、それに追随した勢力の責任がきびしく問われています。
何の道理もない戦争と軍事占領の下、命を奪われたイラク国民は1万人にものぼり、バグダッドには親を無くした子どもたちがあふれています。派兵国でも、米兵500人以上をはじめ、各国兵士に死者を出しています。国連報告書によると、イラクはテロリストの「理想の戦場」とされ、中東地域でも、世界全体でも、テロの脅威はなくなるどころか、いっそう拡大し、泥沼化しています。戦争でテロを無くすことはできないことが証明されました。
スペインの総選挙では、米英とともに侵略と占領を推進した与党が大敗し、次期首相は「現状が変わらなければ軍隊を撤退させる」と言明しました。3月20日、イラク戦争開戦1周年のこの日、全世界で同時に「占領やめろ」のデモンストレーションが行われました。日本では全国で数十万人、京都でも5000人をこえる府・市民のデモが行われるなど米国中心の占領支配・イラクからの撤兵を求める世論も広がっています。これらは、国連憲章をふみにじった侵略戦争と占領支配が破たんしつつあることを示しています。
いま求められているのは米軍主導の軍事占領をすみやかに終わらせ、国連が中心的役割をはたす枠組みを確立することであり、イラク国民に名実ともに主権を返還し、占領軍のすみやかな撤退をはかることです。2月14日に開かれたイラク周辺国の外相会談は、すべての周辺国が参加し、「国連中心の枠組みへの移行」と、「占領軍のすみやかな撤退を準備」することを確認しました。この方向こそ、イラク周辺諸国も望んでいることです。イラク戦争を始めた米英とそれに追随する日本など「侵略連合」こそ孤立を深めているのです。
小泉政権は多くの国民の声に背を向け、憲法を踏みにじって、自衛隊のイラク派兵を強行しました。これは、米国の侵略戦争と占領支配へ合流・加担することであり、日本国憲法の禁止する武力の行使・交戦権の行使であるとともに、国連憲章が定めた平和のルールにも反する暴挙であります。「日本がイラクで引き受けた、米軍の占領の手助けをするという役割のために、祖国の独立を守ろうとするイラク人が日本軍を標的にするのは当たり前であろう。占領に抵抗することは国際法にてらして合法的な行為なのだ。」と、アラブの有力紙は厳しく批判しています。イラクの人々の抵抗に対し、自衛隊が銃口を向け、殺傷するというとりかえしのつかない犠牲や災厄をもたらしかねません。
日本政府が米国主導のイラク占領に反対し、自衛隊のすみやかにイラクから撤退させるよう強く求めるものです。
みなさまのご賛同をお願いし、意見書の提案説明といたします。