「2010年2月定例市会」代表質問
No.11
西京区選出の河合ようこです。日本共産党市会議員団を代表して質問します。
保育所の待機児童解消を。プール制を骨抜きにする見直しはやめよ
最初に、保育について質問します。
まず、待機児童についてです。「夫の仕事がなくなり、私も働かないと生活していけません。保育所に入るにはどうしたらいいですか」と相談がありました。働きたいと思い、何度も福祉事務所に足を運んでも、「西京区の保育所は満杯で、入所は無理です」と言われ、困惑されている方があふれています。育児休職後、年度途中に職場復帰しようとしても保育所に入れず、やむなく保育料の高い無認可保育所に預けられる方もあります。昨年京都市は180人をこえる児童が保育所に入れない状態でした。来年度の入所申し込みは昨年を大幅に超え、4月に入所できない児童は昨年を上回ることが予想されます。国は「待機児を無くすためだ」と定員外入所の上限をなくし、さらに受け入れられるようにしようとしていますが、これでは子どもの発達の保障が危うくなります。定員の25%まで定員外入所の子どもを受け入れ、今でも保育室はぎゅうぎゅう詰め。雨の日は園庭が使えず、さらに子どもたちはイライラしがちだと保育士さんは言われています。これ以上定員外入所の拡大はすべきではありません。京都市は来年度、保育所整備で新たな定員増を提案していますが、それでも待機児童は解消されません。市長は、待機児童をなくす京都市の責任をどう考えておられますか。市の責任で必要な認可保育所を新設・増設すべきです。そして、認可保育所をつくるための予算増額を国に求めるべきです。いかがですか。
(市長)保育を必要とする子どもが増加し待機児も増えている。短期に大幅に新増設することは限界があり、分園や保育ママ、事業所内保育施設への支援など国の制度活用を検討し、国に必要な財政支援を要望する。
次に、「プール制」について質問します。
雇用や生活が厳しくなる中、子どもの育ちや親の就労保障と支援、地域の子育て支援の中心を担う保育所の役割はますます大きくなっています。京都市では、その9割が民間保育所であり、民間であっても公立であっても、子どもたちが等しく保育を受けられるよう、公立と民間保育所の格差をなくす目的で作られたのが民間保育所『プール制』です。『プール制』は制度発足以来40年近く、京都の保育の質を支えてきました。
ところが、京都市は今年度、『プール制』の補助金を5億円も削減しました。これまでから保育所では早ければ朝7時から、長い子で12時間、多くは 10時間近くも子どもたちが生活しています。職員はローテーション勤務なので、全職員が揃うのは10時頃から4時頃までだけです。朝夕は大半の子どもが居るのに、保育士は昼間の半数以下しか居ません。一人の保育士が泣いている子を両腕に抱っこしながら他の子も見るのが常で、保育士さんは「子どもとじっくり関わりたくても、事故のないように見るのが精一杯」と言われており、保護者も「夕方、先生は本当に忙しそうで、その日の子どもの様子を話して下さる時も、まわりの子たちを気にしておられる」と言われています。障害のある子や1対1の関わりが必要な子も増えています。保育関係者からは人手が足りない実態を具体的に示された増員の要望が毎年出されていますが、本市は必要な予算をつけてこなかったのではありませんか。その上に5億円も削られて、保育現場はどうなっているでしょうか。担当理事者は予算削減の際、「予算を削減しても、保育の質は低下させない」と言われましたが、「職員が退職したあとは非常勤で補ったり、非正規職員の雇用時間を短くした」「人が減り、定員外を受け入れにくくなった」と園長先生はいわれています。これでも「保育の質は低下していない」と言えますか。いかがですか。
そして、さらに京都市は、『プール制』の補助金のあり方やしくみを大きく変え、2月の提案から間もない4月から実施しようとしており、保育現場には不安が広がっています。見直し案で京都市は、「バランスのとれた職員配置と年功序列型の給与体系を変えることで児童処遇の向上を図る」といいながら、 70ヶ所の保育所の補助金総額を減らすというではありませんか。そんなことになれば、職員の給与や処遇が低下し、職員は生活設計も働く意欲もつぶされてしまいます。いま保護者の暮らしや仕事が厳しくなる中、保育士は子どものことに加えて保護者への相談対応が求められており、ベテラン職員の役割は大きくなっています。保護者や若い職員を支え、園長先生からも頼りにされるベテラン職員の役割は、京都市も認めていることです。しかし、見直し案はベテラン職員を働き続けにくくしてしまうもので、バランスのとれた職員配置になどなりません。若い職員も保護者も不安になり子どもの安心にも影響します。
また、「見直し案」は、どの保育所に勤めても同じだった職員給与を、各保育所の裁量で自由にできるとしています。これは保育所間にも職員間にも格差を持ち込むものです。保育所によって給与が違い、保育所の裁量で決められるとなると、同じ経験がある職員間にも差が作られることになり、それは保育の要であるチームワークを壊すことにつながります。年齢も性格も違う職員がいるからこそ、いろんな子どもたちに対応できるし、職員同士が気持ちを合わせてこそ子どもが落ち着ける雰囲気と環境ができ、子どもは安心して過ごせるのです。チームワークを壊す見直し案では、子どもたちの保育環境を向上させることはできません。子どもの健やかな発達の権利保障に逆行するものです。市内の子どもたちにどの保育所でも最低限同じ条件での保育を保障するために作られたのが『プール制』です。そして保育の質の保障である職員配置基準と全園統一の給与表こそが『プール制』の根幹です。見直し案は『プール制』を骨抜きにするものであり、『京都の保育水準の維持・拡充を求める』市会決議にも反するものです。「子どもの最善の利益を保障する」というなら、『プール制』見直しを口実にして、保育所間や職員間に格差を持ち込むことはやめるべきです。いかがですか。保育の質を確保するには、必要な予算の増額、実態に合った職員の増員こそすべきではありませんか。市長の答弁を求めます。
(市長)検討委員会を設置し、オープンな場で検討頂いた。保育園間で職員の年齢構成に隔たりがあり、補助金の配分がゼロの園と8千万円の園がある。「バランスのとれた職員配置」「主体的な経営の促進」「民間ならではの創意工夫」という内容の答申をふまえ、保育園連盟と十分に協議しながら見直しをすすめる。
また、来年度予算では、保育料の値上げが盛り込まれています。
一昨年、市長は「保育料は3年間値上げしない」と明言されました。保育料値上げの提案は市長自らの市民との約束を反故にするものではありませんか。保育料値上げ提案は撤回すべきです。いかがですか。
(星川副市長)国の改定で、やむを得ずお願いする。国基準の7割に抑えた。
国はどうでしょう。保育室や園庭の面積などを決めた全国一律の最低基準の緩和や保護者と保育所との直接契約制度の導入など公的保育制度を改悪する動きを強めています。京都市会は昨年12月議会で「保育制度に関する意見書」を全会一致で採択し、議会として国に意見を表明しました。意見書は「保育所制度の最低基準は、国の責任において設定し、かつ、財政負担がなされなければならない」「福祉施策である保育制度に安易な市場原理を導入し、保護者や保育関係者に無用の混乱や不安を招くことは、子どもの最善の利益を失うこととなる」として、「最低基準の堅持と十分な財政措置」また「直接契約制度は導入しないこと」を国に求めていますが、今の国の動きは、『子どもの最善の利益の保障』に明らかに逆行するものです。京都市の保育への影響も大きく、「国の動きを注視する」と悠長なことを言っている場合ではありません。市長から国に対し「最低基準の緩和や直接契約制の導入はすべきでない」と声をあげるべきです。
また、国は給食の外部委託化や保育料値上げまで提案しています。市内の保育所では、自園給食でその日の子どもの体調に合わせた調理でていねいに子どもの発達を保障してきています。市の担当理事者も「給食は保育の一環」「自園給食が望ましい」と言われてきました。この立場で、「給食の外部委託化の推進はやめよ」と、市長から国に強く求めるべきです。明確な答弁を求めます。
(子育て支援政策監)見直しにあたって、虐待を受けている児童や障害のある児童が排除されないしくみや、十分な財源補償が必要であり国に対し必要な要望を行う。給食の外部委託は詳細が示されておらず、情報の収集に努める。
国民健康保険料値上げ撤回を
次に、国民健康保険について質問します。
市は昨年に続き、保険料の値上げを提案しています。保険料が払えない世帯が毎年5万世帯にものぼり、保険証があっても窓口3割の医療費が払えないから病院に行けないという方も増えていることを市長はどう考えておられますか。今回の値上げは、すべての所得階層での値上げであり、総額約5億3200万円もの新たな市民負担を増やすものです。現在40代の夫婦と子ども1人、所得が300万円の世帯の保険料は48万2100円。家賃や光熱費、教育費などを払ったら、今でもギリギリの生活です。景気が悪くて仕事がないのに、さらなる国保料値上げが保険料を払えない市民を増やし、ますます病院に行きにくくすることは明らかではありませんか。今年度10億円、来年度5億円もの市民負担増は市民のくらしを無視した提案です。「今でも高くて払えない」「保険料を値下げしてほしい」というのが市民の声です。市民のくらしといのちを脅かす保険料の値上げは撤回すべきです。いかがですか。
国保運営協議会の答申は「国民皆保険を支える重要な柱である国保制度を将来に渡って安定したものにするためには国の責任は重大である」としており、日本医師会は「窓口負担の軽減」を提唱しています。国庫負担率を引き上げ、医療費の窓口負担を軽減するよう京都市から国に求めるべきです。いかがですか。
(星川副市長)一般会計から2億円繰入を増やし、76億円の支援で値上げを抑制した。多額の累積赤字があり引き下げはできない。医療保険制度の一本化を強く求める。
痛風で定期に薬を飲むことが必要な60代の男性が短期証の期限が切れて区役所に行かれました。役所と相談し、滞納した保険料の納付計画も立てていた方です。薬を飲まなかったら歩けなくなるため保険証が必要です。ところが窓口では、保険料の滞納分が2分の1収められていないからと資格証明書が発行されました。厚生労働省は「医療を受ける必要があり、医療費の一時払いが困難であると申し出た場合には、緊急的対応として市町村の判断で短期保険証を発行できる」旨の留意事項通知を出しています。この立場で保険証を発行すべきだったのではないですか。
また資格証明書は約4000世帯も発行されています。資格証明書の発行が「受診抑制につながる」ことは国も認めており、昨年、新型インフルエンザへの対応で、国は資格証明書でも3割負担で発熱外来に受診できるとしました。それまで市立病院には、資格証明書をもった患者さんが外来受診されることはありませんでしたが、これにより発熱外来へ受診された方がありました。「3割なら」と少し安心して来られたのではないでしょうか。窓口10割負担の資格証明書がいかに市民を医療から遠ざけているかがわかります。
京都市はこれまで、「資格証明書の機械的発行はせず丁寧に相談にのっている」と言われてきましたが、そうなっていません。国からの通知どおりに対応すべきです。いかがですか。また、救える命までも救えないということがないよう、資格証明書の発行はやめて安心して医療がうけられるようにすべきです。全ての人に正規の保険証発行を求めます。いかがですか。
(保健福祉局長)国の通知通り、医療の必要が生じ、医療費の一時払いが困難な場合には短期証を発行している。特別な理由もなく長期に保険料を滞納している場合、資格証明書の発行はやむを得ない。
障害者自立支援法の応益負担廃止に、必要な予算措置を
次に、障害者自立支援法について質問します。
障害を自己責任のように感じさせ、生きることへの利用料や応益負担はあまりにもひどく、障害者自立支援法は憲法違反だとして、全国14の地裁で原告71名、京都では9名が裁判をされてきました。今年1月7日、厚生労働大臣は「障害者の尊厳を深く傷つけたことを心から反省する」と謝罪し、原告団と国の和解、基本合意がされました。応益負担を廃止するとしたことは関係者の粘り強い運動が実ったものです。
ところが政府は、応益負担廃止に必要な予算の3分の1程度の107億円しか予算化せず、医療支援は軽減策の対象外としました。また、食費や光熱費などの実費負担や事業所報酬の日払い制はそのままです。私は、京都での裁判を傍聴しました。障害のある息子さんが、事業所に通えない日もメールや・電話で事業所に連絡する度、職員さんはていねいに対応して下さるのに「自立支援法は、事業所に行っていない日は、まるで事業所と無関係であるかのように扱うもの」「事業所の好意や息子の思いに反したものだ」という親御さんの意見陳述や、「作業所に通うことが私の生きがいだ」という当事者の言葉を聞き、現行法がいかに障害者の権利や施設の実態を無視したものかを改めて痛感しました。
また、あるお母さんは「肢体不自由児にとって補そう具は体の一部。育ち盛りの時は補そう具が1年ともたない。1足20万円で外用と中用をつくると 1割負担で4万円もかかる」といわれていました。18歳以下の補そう具の費用負担は、親の所得によって決まり、課税世帯では子どもが成長するたび費用負担が生じるなど、改善が必要な問題が残っています。応益負担廃止というなら、それに必要な予算を確保すること、食費・光熱費などの実費負担や事業所報酬の「日払い制」をやめることを京都市から国に求めるべきです。また、京都市ではこれまで国の制度に上乗せし、「京都方式」で障害者の負担軽減にとりくんできていますが、今回国が先送りした支援についても、本市独自で上乗せし、障害者の負担を軽減すべきです。いかがですか。
(保健福祉局長)国で自立支援法に変わる福祉法制について議論がされている。動向を注視し、必要な意見を積極的に述べる。国で軽減されなかった自立支援医療、市の支援がなお上回る部分は、ひきつづき独自の負担軽減を実施する。
障害のある子どもたちの支援充実を
次に、障害のある子どもたちの支援について質問します。
保健所の乳幼児健診でわが子が「発達の経過観察が必要」といわれた親御さんは、どうしていいかわからず不安な時を過ごされています。しかし、専門機関への受診には抵抗があり、例えば、保育所で「専門機関に見てもらった方がいい」と助言されても、保健所で「様子を見ましょう」と言われると「大丈夫だった」とほっとして、次の乳幼児健診までそのままにして迎えられる方も多くおられます。その時の子どもの発達の課題を早期に発見し療育を受ける機会を逸することにもなりかねません。親御さんの不安や子どもの発達について気軽に相談でき、早期発見・早期療育につなげる機会が必要です。現在、中京区では保健所や社会福祉協議会、療育施設、保育所が協力しボランティアで取組をされる中、療育につながって親御さんに喜ばれているそうです。
子どもたちの発達支援のために、経過観察が必要な子と親を対象とした、乳幼児健診からの切れ目のない支援体制を求めます。そしてボランティアで支援されているところに、市からの財政援助を求めます。いかがですか。
また、発達に課題のある子どもに向き合っている親御さんは、子どもへの関わり方がわからず、子どもを叱り、それが子どもには大きなストレスとなるケースが多いと、療育施設の職員さんに伺いました。療育施設に通うことで、子どもがいきいき遊ぶ様子を見られ、自分の悩みも相談できることで親御さんは安心し、「子どもとの関係もよくなって、よかった」と言われています。
療育が必要な子は増えていますが、市内には児童デイサービスなど、療育の必要な子たちを受け入れる施設が足りません。また、近くに療育施設がなく、遠くまで通うための交通費の負担や子どもを連れて行く道中の大変さがあります。
身近なところで療育が受けられるように、地域偏在なく療育施設をつくるよう求めます。いかがですか。また、今、第2児童福祉センターについて検討されていますが、医療や発達診断ができる新たな施設を設置するこの機会に、療育施設も併設すべきです。いかがですか。
(保健福祉局長)家庭訪問や「親子のこころの健康支援教室」とともに、関係機関と連携し、新規事業の「親子すこやか発達教室」で保健師、心理相談員、保育士によるグループワーク等で継続的に支援を行う。
療育教室の開設など早期療育充実に取り組んでいる。社会福祉審議会専門部会の「児童療育センターの相談・診療部門を第2児童福祉センターへ移転し、空きスペースでの療育部門の拡充」との意見をふまえ検討すすめる。
地球温暖化防止対策へ、公共交通の整備を
次に地球温暖化防止対策について質問します。
昨年12月の国連交渉では、「地球の気温上昇は2度を上回るべきでない」というコペンハーゲン合意が確認されました。鳩山首相は「温室効果ガス25%削減」を約束しましたが、産業界との公的削減協定などの国内対策は示されておらず、迫力を欠くものとなっています。3月には具体的対策を策定するとしていますが、他の国の態度を口実に後退することは許されません。国際動向を待つことなく削減目標に責任を負う態度と実効ある対策を確立するよう、京都議定書発祥の地・京都市から、国に一層強く求めるべきです。
そして、環境モデル都市に指定された京都市には、2030年には1990年のレベルから40%の温室効果ガス削減という目標を達成する具体的な計画とその実行が求められています。今年2月1日付けの市民しんぶんには『地球温暖化防止は一人ひとりの小さな積み重ねから』と大見出しで強調されていましたが、市民の努力以上に問われるのが京都市自身の取組む姿勢です。4万9千tもの温室効果ガスを排出する焼却灰溶融施設の稼動や、少なく見積もっても施設運営だけで4800tもの温室効果ガスを排出する梅小路公園水族館計画は、地球温暖化防止に逆行するものではないですか。いかがですか。ゴミの分別、省エネなど市民に努力をもとめるなら、京都市自ら襟を正すべきです。
(地球環境政策監)溶融施設は環境に寄与、水族館は環境を学ぶ施設。市民要望で新たな施設を建設すれば温室効果ガスが発生する。個々の施設ではなく全体で減らすため、基準を策定し、京都ならではの環境に配慮した建築物の普及をめざす。
また、CO2排出を減らす対策の柱として「歩くまち・京都」総合交通戦略が策定され、現在28%の車分担率を20%に減らすとしています。しかし、車の総量をどうやって減らすのか、目標をいつ達成するのか、目標はあっても具体的な年次計画がありません。「スローライフ京都」「ライフスタイルの転換」など市民や観光客への意識改革に重きが置かれていますが、市内には、バスや鉄道がなかったり、あっても不便で、車を利用しないと通勤や買い物、通院など日常生活が成り立たない地域があります。公共交通を充実することなしには「ライフスタイルの転換」などできないのではありませんか。車の総量規制は目標の期限と具体策の年次計画をつくってすすめること、市民の要望に応え、京都市が責任を持って公共交通の整備を進め、交通不便地域を解消することが必要です。いかがですか。
(市長)自動車分担率20%の目標は2030年。公共交通不便地域では意識を高めることが最大の課題。地域のまちづくりと一体となって対応を検討すべき。雲ヶ畑をモデル地域に、地域の活性化や福祉の視点でとりくむ。
近郊農業を支援し、日米FTA交渉中止を求めよ
次に、農業政策について質問します。
国は農家への戸別所得補償を農業支援の目玉政策としていますが、「地域振興作物や特産品への助成額は全国一律にし、助成対象は国が決める」、米の戸別所得補償では、生産費の大部分を占める「家族労働費を8割しかみない」としており、農家から不安の声があがっています。
西京区の農家にお話をききました。ナス作り農家の方は「農業収入だけでは食べていけない。けれど、野菜作りは片手間ではできない。6月から10月は毎日畑に行かないと出荷するナスが大きくなりすぎてしまう。」と言われ、米農家の方は「米の戸別所得補償はないよりはましやけど、赤字補填にはならへん。小さい農家ほど機械が必要で、肥料などにもお金がかかるし、農業を続けるのは厳しい」と言われていました。市内の農家は米と野菜中心の生産農家が大半で、市民の食卓に新鮮な野菜を提供してくださっています。農家を守ることは市民の食の安全・安心を保障することです。
しかし、今のままでは再生産していけません。国に対し米の生産費水準を引き上げるなど所得補償・価格保障をさらに充実させるように、また米の価格の下落など日本の農業を落ち込ませた大きな原因である輸入自由化路線を改めるために日米FTA交渉を中止するよう求めるべきです。同時に、京都市として独自の近郊農業支援を強めるべきです。いかがですか。
(産業観光局長)「京の旬野菜奨励事業」などの取り組みで成果が出つつある。京都産の米や野菜の消費拡大などで農家所得の向上につとめるとともに、「京都市農林行政基本方針」を策定し、農業振興を実施する。国の貿易協定は動向を注視する。
西京区川岡踏切の安全確保を
最後に地元・西京区のことについて質問します。
阪急桂駅の南にある川岡踏切は、旧山陰街道にあり川岡学区の行き来に欠かせない通路です。歩行者、自転車はもちろん、市バス、京阪京都交通バスなど車の交通量も多く、歩行者や自転車は安心して渡れません。とりわけ朝夕の通学通勤時間にはいつ事故が起こってもおかしくない状態です。歩行者用には踏切の下に地下道が作られており、川岡小学校の児童は地下道を通って登下校していますが、地下道内の安全確保への不安も保護者からは出されています。また、地下道は深く、階段が急で高齢者が利用するには負担が大きすぎます。「地上の踏切を安心して歩けるようにしてほしい」と長年、PTAや住民から声があがっています。阪急川岡踏切について、京都市が率先して阪急電鉄と協議し、歩道を確保するなど、早期に安全対策を講じるよう求めます。いかがですか。以上で、私の質問を終わります。
(建設局長)川岡踏切は安全面で課題がある。踏切の拡幅は困難だが、阪急連続立体交差化事業で、通行車両の分散化が図られる。阪急をはじめ関係機関と協議し、安全の踏切を通行できるよう対策を検討する。