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本会議代表質問

2006年11月定例市会」代表質問

No.9

児童虐待の防止について

西京区選出の河合ようこです。日本共産党市会議員団を代表して質問します。

はじめに児童虐待問題で質問します。

長岡京市内で親の虐待により三歳の幼い命が奪われました。しつけだといって食事ももらえなかった三歳の子の姿を思うといたたまれない思いです。「なぜ、幼い命を守れなかったのか」と多くの皆さんが心を痛めておられると思います。この事件は、近隣の住民や民生児童委員の方が再三にわたって虐待の疑いで児童相談所に通報されたにもかかわらず、ただちに現場に赴き、子どもの身体的状況などを直接確認しない中で起こったものです。児童相談所が、子どもの大切な命を守る責任を果たせなかったことはまことに重大です。いま、京都府では、事態の究明と再発防止のため、専門家の協力も得ての協議と検証がすすめられています。

京都市にとっても決して他人事ではありません。児童相談所への児童虐待にかかわる通告件数は、昨年度は過去最高の504件で、今年度は九月末現在で既に360件にものぼり、継続指導件数も957件となっています。児童相談所では、夜間・休日をふくめた虐待通報の24時間体制をとって対応されていますが、職員の方は虐待以外のケースも含め、一人が100件ものケースをかかえ、半年おきにチェックするのがやっと。児童相談所だけでの対応には限界があります。困難を抱える親への対応・指導は物理的・精神的労力を要する仕事であり、過度のストレスを抱える職員が増えている実態もあります。児童相談所の体制強化が必要です。また、これに加え、虐待をうけた児童を保護する施設は非行や情緒障害など様々な問題を抱えた乳幼児から中高生までの児童が一杯で、施設整備なしには受け入れが困難な状況にあります。

急増する児童虐待を防止するためには子育て支援センターをはじめとする地域でのネットワークの強化が求められます。また、児童虐待はもちろんのこと、子どもをめぐる様々な問題に迅速に対応できる体制を確立するため、児童福祉司や児童心理司など職員の増員、児童を保護する施設の増設をすべきです。いかがですか。

(上原副市長)

国基準を大きく上回る児童福祉司を配置し、予防対策として育児支援家庭訪問事業を開始した。施設入所する児童数が増加しているが、市外施設への入所も含めて対応し、家庭復帰ができるよう保護者への援助・指導に取り組んでいる。全力をあげて児童虐待防止に取り組む。

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子育て支援、「認定こども園」について

児童虐待は、子どもの育て方がわからない親や、くらしや子育てにストレスを感じている親がその矛先を弱い子どもに向けてしまうというケースが少なくありません。そういう親を支え、子育てを支援することは虐待防止のためにも、今求められることです。そこで、子育て支援に関わっていくつか質問します。

先の国会で「就学前のこどもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が成立し、10月1日から「認定こども園」の制度が創設されました。そもそも「認定こども園」は、保育分野に民間企業の参入を促進するための規制緩和と保育における公的責任の放棄を目的に打ち出されたものです。具体的な「施設の設備及び運営に関する基準」については、国が示した「基準」を「参酌して都道府県の条例で定める」、「認定こども園」は申請にもとづき都道府県が認定する、とされており、京都府は12月議会に条例案を提案しようとしています。

「認定こども園」制度は、第1に、幼稚園、保育所の施設設備や職員配置などの現行基準を下回ることが容認されており、認可外であった保育施設、幼稚園の施設や機能を国・自治体が認定するという矛盾もあり、これまでの保育水準を大きく後退させるおそれがあります。実際、京都市の職員配置基準で3歳児は子ども15人に1人の保育士となっていますが、府の案では、「半日まではおおむね35人に1人」の職員配置とされている、給食調理室の設置も義務づけられていない、など京都市の現行基準より悪い条件になっているところがあります。

第2に、入所するには施設と利用者が「直接契約」することになり、保育料は現行の「所得に応じた負担」ではなく「自由料金」になります。これは「すべて児童は等しくその生活を保障され、愛護されなければならない」「児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」と児童福祉法に謳われた保育の平等、国と地方自治体の行政責任をそこなうおそれがあります。市内の民間保育園関係者からはこの制度導入に反対の声が上がっています。危惧されているのは、直接契約・自由料金制を民間保育園にまで導入しようとしていることです。多くの待機児がいる下で、生活困難な世帯や配慮を要する子どもたちが施設から選別されるような事態や保育料の負担能力によって子どもが受ける保育に格差が生まれるのではないかということも心配されています。

京都市には、公立でも、民間でもどの子も等しく保育が保障されるようにつくられた民間保育園プール制があり、保育関係者と行政の努力でそれを堅持し保育水準を確保してきている歴史があります。「認定こども園」導入によって国の公的責任が放棄されることがないように、京都市から国に求めるべきです。そして、京都府が「認定こども園」の設置基準の条例案を策定するにあたっては現行の京都市の基準を下回らないように、また「保育に欠ける子」の入所は市町村が責任をもってあたり、保育料は市町村が定める所得に応じた保育料の基準に合わせるように京都市として求めるべきであり、市として現行の保育水準を確保すべきだと考えます。いかがですか。

(上原副市長)

職員の資格や調理室等の設備、管理運営などの課題があり、認定こども園の認定基準について、本市の保育水準の維持がはかれるよう、認定権限を持つ京都府と協議してきた。今後も、「子育て支援都市・京都」のさらなる充実に向け、全力で取り組んでいく。

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保育所・学童保育の充実を

次に、保育所、学童保育について質問します。内閣府の調査でも、都道府県の比較で、働いている女性の率が高いほど、出生率が高くなり、逆に、働いている女性の率が低いほど、出生率も低くなっているという結果が出て、「女性が働きやすい環境と男女が子どもを産み育てやすい環境とが共通していることが見えてくる」と分析されています。女性が働くことの保障。これには保育所、学童保育の充実が不可欠です。

保育所入所の希望は年々高くなっていますが、4月当初はもとより、急な事情で働かざるをえなくなった方や子どもを見られなくなった方が入所できず困って相談されることがよくあります。産休や育児休業をとって職場に復帰される方が、年度途中では入所が難しく、育児休業制度を十分活用できないこともあります。保育所に入りたい人が入れる状況にはなっていません。「既存の施設に定員以上に子どもを入所させることはもう限界に来ている」と担当局も認識されています。いまや保育所の新設なしに待機児童の解消はできないことは明らかです。必要な箇所に保育所新設を急ぐべきです。いかがですか。

また、保育所は育児相談、園庭開放など多様な地域子育て支援活動を実施され、通常の保育とともに保育所を訪れる地域のお母さんたちへの対応に追われておられます。一時保育をされている保育所には「せめて週三日でも働きたい」「子どもと少しはなれる時間がほしい」など、お母さんからの申し込みが相次いでいますが、体制が確保できず、断らざるを得ない状況もあります。父母の長時間労働で保育所入所児童の8割が長時間保育を利用しています。しかし、朝と夕方は保育士の人数は少なく、主任保育士も含めて保育している状況で、現場はてんやわんやです。充分な予算や職員体制の保障がない中でもニーズに応えようと頑張っておられる現場の実態を市長はしっかり受け止めるべきです。入所児童の保育を保障しつつ、子育て支援を充実するために、職員の増員、主任保育士のフリー化はすぐに実現すべきです。いかがですか。

(子育て支援政策監)

地域の保育ニーズや各保育所の状況をふまえ受け入れ体制を確保する。国の制度である主任保育士専任加算を活用し、地域の子育て支援を推進する。

学童保育も市が言う「概ね60人」を越えた児童を受け入れている学童保育が増えています。いつ怪我や事故が起こるかわからない程せまい部屋の中で子どもたちは生活しています。子どもが外に出て遊びたいと望んでいても、安全のことを考えると、外で遊ばせることも躊躇してしまうという職員の声もあります。職員も少なすぎるからです。さいたま市では児童館と学童保育所の一元化にこだわらず、学童保育所の家賃を大幅に補助するなどして60人を超える大世帯にならないよう自治体として分割するための財源確保をするなどの工夫がされています。親は子どもがのびのび元気に育つことを願い、その姿を励みに日々頑張っておられます。京都市は平成17年度待機児ゼロを実現したと言いますが、実態は大きくかけ離れています。預けたい人がすべて預けられ、子どもたちの放課後の豊かな生活・あそびを保障するために施設整備、職員の配置は不可欠です。

児童館建設目標の130館を一刻も早く実現すること、そのための年次計画を明らかにすること、すべての小学校区に少なくとも一つの学童保育所を、必要なところには複数の学童保育所をつくること、分室をつくるなど大規模学童保育の「すし詰め」状態を解消することを求めます。いかがですか。

(桝本市長)

一元化児童館は103館となり、今年度6ヶ所で整備・設計を進めている。今後とも、児童館の計画的整備をすすめ、地域における子育て支援の拠点の役割が果たせるよう取り組んでいく。

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障害のある子どもの療育の充実、保護者負担の軽減を

次に、障害がある子どもたちの問題についてです。

わが子の障害を受け入れることができない親御さん、発育に不安があるけれどまだ小さいのでどういう障害なのかわからない子がいます。その発達や生活の支援になくてはならないところが療育の場です。親御さんに聞きますと「子どもは療育の場に行くのを毎回楽しみにしています。週3回ですが、毎日でも通わせてやりたい」「親も支えられている」と言われています。ところが、障害者自立支援法施行に伴い、利用者負担が大幅に増やされました。京都市は独自の負担軽減策を取りましたが、毎日の通園の利用料が1回200円から800円に、1ヶ月で約1000円だった負担が上限で31000円にもなりました。これに加えて、医療費や補装具、訓練費、施設に通うための交通費も保護者負担です。「わが子には必要な療育を受けさせたい。でも生きるために必要な療育にあたかも英語やピアノを習うのと同じようにお金を払わなければならないのはおかしいと思う」という保護者の声を、市長はどう受止められますか。名古屋市は利用者負担を法施行以前のままにおさえていますし、豊田市や岸和田市では利用料は無料です。利用者の負担が増えることで、療育が必要な親子を療育から遠ざけることのないよう京都市独自で更なる利用者負担軽減をすべきです。いかがですか。

通園施設は今まで月払いだった運営費がその日通園した子どもの人数で運営費が支払われる仕組みになり、子どもが休むとお金が入ってきません。乳幼児期の子どもは病気になりやすく休むことも多いですから、施設運営を維持するために子どもの人数を増やさないといけないし、人数をふやすとていねいな療育を保障することが難しくなり、職員の労働条件も守れません。施設運営が困難になり、療育の場が奪われるようなことはあってはなりません。収入減になった施設や事業に市が支援措置をとるべきです。いかがですか。

また、今でも児童福祉センターで発達相談するまでに1〜2ヶ月、診断を受けるまでに1年半近くかかると言われています。不安を抱えながら待たなければならないのは本当につらいことです。その上、住んでおられる地域に療育施設がなく、わざわざ遠くまで通わなければならないのも実際です。療育が必要な子どもたちの実態をつかみ、必要な地域に療育施設をつくる必要があると考えます。いかがですか。

(保健福祉局長)

利用者負担の更なる軽減や適切な事業者報酬の設定について国に要望し、本市として利用状況や施設等の運営状況を把握していく。昨年度、発達障害者支援センターを設置したが、今後とも、必要な療育の場を確保していく。

市長、京都市は学童保育の対象を障害のある子は小学校4年生までとしていますが、障害がある子が5年生になったら放課後一人で過ごせるでしょうか。「息子は中学生で自閉症です。私が働かないと生活できないし、職場も大変なので仕事は続けています。その間ヘルパーさんに来てもらっているけど、利用時間に限度があり、学校が長期休業の時は特に大変です」と困っておられる母子家庭の方があります。発達障害がある娘が不登校になり、仕事をやめざるを得なくなったという方もあります。障害のある子どもの放課後の生活と発達を守ること、親の就労を保障することは国や自治体の責任ではないでしょうか。子どもを育てるのにより多くの支えを必要としているところに手厚く支援すべきです。わが子に障害があっても親御さんが安心して働けて、子どもが発達していくための学童保育や介助者の体制整備が必要ですが、いかがですか。制度の谷間で苦しんでいる親御さんや子どもの気持ちに寄り添う「子育て支援」を求めます。

(子育て支援政策監)

5年生以上の児童は、児童館の自由来館機能を活用してもらっている。今後もすべての児童が利用しやすい児童館を目指す。

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子どもの医療費を小学校卒業まで無料に

次に、子どもの医療費助成について質問します。

子育て世代には子育ての経済的負担感が強く、多くの人がその支援を求めています。子どもの医療費助成制度の拡充は全国で大きな流れとなっており、京都府内でも、府の制度以上に助成している自治体がほとんどとなりました。自治体独自の助成を全く行っていないのは綾部市、舞鶴市と京都市だけです。「子育て支援都市・京都」が、残る3つの中の一つとは、あまりにもお粗末ではありませんか。子育てされている方にたずねますと、「3歳より大きくなってから医者にかかること多いですよ。小学校までの制度にして欲しいです」「小学生は歯医者が無料なので助かっています。幼児も無料でみてもらえたらいいのに」など、医療費の助成対象を広げて欲しいという声や、「月8000円まで自己負担では家計にはきつい。通院の医療費を安くしてほしい」という声は切実です。実際、通院は3歳過ぎたら大人と同じ3割負担になっている場合がほとんどではないですか。市民アンケートでも「医療費の負担軽減を」の声は断トツです。毎日子育てされている方たちの生活実態から出された切実な願いです。この声に応えて、月8000円までの自己負担をなくし、子どもの医療費を通院も無料にすること、助成制度の対象を小学校卒業までに広げること、を府に求めるべきです。また、いつまでも府の実施を待たず、市独自で早急に実施すべきです。お答えください。

(保健福祉局長)

更なる拡充について、府の「福祉医療制度検討会」で今後の制度のあり方について検討中。本市の厳しい財政状況から独自の拡充は困難であり、引き続き、京都府と協議していく。

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青年の雇用対策を強化せよ

最後に、青年雇用の問題について質問します。

若い子育て世代が子育てに経済的負担感を感じるのは、収入が非常に少なく不安定な働かされ方をしているからです。いま、働いても働いてもまともな暮らしができない「ワーキングプア」や偽装請負が社会問題になっていますが、中でも青年の雇用・生活は深刻で、青年の2人に1人が非正規雇用という異常な実態が広がっています。自民党、公明党、民主党が非正規雇用を増やす労働法制の規制緩和をすすめた結果です。長時間労働をなくし、若い世代の安定した雇用を確保することは結婚・子育ての支援としても必要不可欠の課題です。わが党が取り組んでいる「青年雇用アンケート」には次々と声が寄せられています。一部を紹介しますと、正規雇用では「1年間で18キロ痩せた。労働条件を良くして欲しい」「残業しなくても一人暮らしが維持できる給料がほしい」「有給休暇が半分もとれない」「同じ職種でも女性と男性で給料が違う」「人手を増やして時間どおり帰れるようにしてほしい」、非正規雇用では「使い捨てにされたくない」「ハローワークでは隔週土曜休みと書かれていたが、実際はちがう。休めない」「賃金が安すぎて、結婚にも出産にも踏み切れません」「社会保険に入れるようにしてほしい。移動時間も労働時間に入れてほしい」など厳しい実態や切実な要求ばかりです。

また、アンケートでは、年収200万円以下の、いわゆる「ワーキングプア」の状態にある青年が全体の45.7%。正社員では21.2%であるのに対し、派遣社員では67.9%、契約社員では54.4%、パート・アルバイトでは93%と、非正規雇用で働く青年の大多数が年収200万以下の低い水準に押しとどめられていることが明らかになっています。そして、「正社員を増やしてほしい」「正社員として働きたい」と、正規、非正規のどちらの形態で働く青年からも、正規雇用の拡大を求める声が数多く寄せられています。低い給料、長時間労働、身分保障がないなどの働かされ方が、青年に「結婚したくてもできない」「出産できない」「出産後、働き続けられない」というあきらめや将来への不安を抱かせているのです。

正規雇用を拡大することは、青年の切実な願いです。そして、京都に住み、働き、結婚・子育てをしていく世代を増やしていくこと、仕事の技術を継承し積み上げていくことからも求められる、京都市の将来にとっても、力を入れて取り組まなければならない重要な課題ではないでしょうか。

京都市として、非正規雇用の青年に対する支援を強めることが求められています。青年の雇用を拡大するための庁内体制をつくり、本市独自の支援制度をつくることが必要です。京都府は、先日の府議会でわが党議員の質問に答え「派遣労働者の雇用実態調査を行う」と答弁されていますが、京都市としても、派遣労働者に限らず不安定雇用の労働者の実態をまず調査すべきです。いかがですか。お答えください。

(文化市民局長)

非正規雇用の労働条件や雇用の実態調査は国・府で取り組まれている。10月に「京都若者サポートステーション」を開設し、関係行政機関からなる支援ネットワークを併せて整備した。京都市青少年活動推進協議会の「提言」の具体化をすすめ、引き続き国・府と連携を図り、若者の就業支援に取り組む。

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