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本会議代表質問

2005年11月定例市会」代表質問

No.7

「ごみ有料化先にありき」のやり方は許されない

西京区選出の河合ようこです。日本共産党議員団を代表して質問いたします。

家庭ごみ有料指定袋制について各学区で市民との意見交換会が開かれています。市民からは「もっと分別、リサイクルすべきだ」「お金を取ったらゴミを減らすだろうというのは、市民をバカにしている」「不法投棄がふえる」など有料化反対、市のゴミ行政への批判の声があちこちで上がっています。これに対し、市は「名古屋は分別・リサイクルでそれほどごみは減ってない。リサイクル貧乏だ」など、市民と協力し、ごみ総量もCO2排出量も減らしている自治体の取り組みを、目のかたきにする発言をしています。こういうとりくみにこそ学ぶべきではありませんか。ところでこの意見交換会は、広く市民から意見を聞く場と位置づけての取り組みですが、地域によっては自治会長など一部の市民に限っているところ、未だに日程が決まっていない学区もあります。パブリックコメントも行われましたが、一〇月3日から十一月2日までたった1ヶ月間ときわめて短い期間でした。本当に全市民からの意見を聞こうと取組んでいるのか、との声が上がるのも当然です。意見交換会の中で「参加している人も少ない。これ1回で終わるのでなく何回もやるべきだ」という意見も出されています。市は十二月中旬までで意見交換会は終了するといいますが、形だけ意見交換会をやったということは許されません。市民も納得できるはずがありません。厚生委員会でも「全学区で意見交換会を行い、より多くの市民から意見を聞くという当初の目的を貫く」と局長は決意されています。これこそ貫くべきです。2月に条例提案するために年内に結論を出すというスケジュール優先、「有料化先にありき」のやり方は許されません。本気でゴミを減らすためには市民の納得と協力が不可欠です。「ゴミを減らすために自分にできる努力はしたい」と市民は真剣に考えられています。いまやるべきは、期間を延長しても全学区で全市民対象の意見交換会を開くこと、市民と徹底した意見交換、ごみ減量の議論を深めることです。そして分別・リサイクルの徹底など本当のごみ減量を進めることです。いかがですか、明確な答弁を求めます。

<市長>

有料指定袋は、ごみ減量・リサイクル促進に効果、脱温暖化に重要。早期に導入をめざすべき。導入にあたっては市民の理解と協力が重要。全学区対象の意見交換会に加え、全区横断的な意見交換会を12月初旬に開催。さまざまな機会を設けて市民の意見を聞き、最終方針に反映させる。

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実効あるアスベスト対策を

次にアスベスト対策について伺います。「長年仕事でアスベストを吸ってきている。いつ発症するかわからない」と健康不安を訴えられる建築職人さん、「うちの屋根にアスベストが使われてるかもしれへん」「子どもが通っている保育所は大丈夫やろか」と心配されている方など、健康に関する不安や、住まい・公共の施設にアスベストが使われてはいないかという不安の声が寄せられています。

アスベスト問題は、市民の命に関わる切実な問題であり、健康被害への対策、飛散防止等の曝露防止対策が緊急に求められています。京都市は健康相談窓口等を設置し、市民の相談に応じているといいますが、市民の相談は、一人ひとつとは限らず、健康問題・住まいの問題をはじめさまざまな不安があると思います。今の状態では、本当に相談したい機関に連絡が付くまでには何度も電話をかけたり足を運んだりしなければならないのではないですか。また、市民への情報提供という点でも、京都市全体としてアスベスト問題にどうとりくんでいるのかが市民にわかるようになっていないのも問題です。市は「環境保全推進会議があり、アスベスト分科会で各局の取り組みを情報交換し、共通認識にしているから大丈夫だ」と言われますが、市民の不安は解消されていません。本気でアスベスト対策をすすめるには、医師などの専門家やアスベストに一番関わっておられる建築関係者も交えて考えていくことが必要だと思います。建築労働者の団体である全京都建築労働組合では約2万人もの組合員さんを対象に曝露や健康実態の調査をされ、X線健診、必要な場合はCTスキャンの健診受診までされています。京都市はこういう取り組みに学ぶべきです。市としてアスベスト対策本部を立ち上げ、情報交換にとどまらず市民の健康と安心・安全を確保するための具体的対策を講じること、必要に応じて医師や建築関係者なども交えた連絡会議を開催することを求めます。そして、京都市の実態や対策が市民にも一目でわかるような情報公開をすすめること、市民の多様な相談に適切に対応できる総合窓口の設置と体制の確保を求めます。いかがですか。

<松井副市長>

環境保全推進会議で、具体的対策をただちに指示、実施してきた。また専門的知見を有する「アスベスト分科会」で、使用実態について情報を共有し、使用が確認された場合の処置の検討など全庁あげて全力で取り組んでいる。公共施設の使用実態調査結果と処置方法は広く知らせ、市民からの相談には相談窓口で迅速機敏に対応している。

いま京都市における公共建築物についての実態調査が行われています。その中で公立保育所や看護短大で吹きつけアスベストが使われていたことがわかりました。多くの方が利用されている公の施設でアスベストが見つかったことは重大であり利用されている人たちや、そこに従事されている方たちの不安ははかりしれません。迅速な対応を関係者は求められています。アスベストが使用されている公立の施設については京都市の責任で飛散防止の処置・除去工事や関係者の健康調査を行うとのことですが、市内には市が委託をした施設や過去に民間に売却した保育所などもたくさんあります。民間の福祉施設についてもアスベスト使用が判明したところについては、当然市の責任で必要な処置や除去工事、健康診断等を行うべきです。いかがですか。

<松井副市長>

福祉施設については、対象818施設の目視は終了、密閉されているところを除き、疑いは33施設。アスベストの有無、含有量、室内の濃度調査を行っている。結果をふまえ民間も含めて適切に対応する。

政府は、来年の通常国会で新法を制定し、被害者を救済する方針を出しました。しかし補償範囲が限定されており、補償額も不十分な上、企業責任をあいまいにし、自治体に財政負担を押しつけるものです。そもそも今回のアスベスト被害の根本的な責任は、アスベストの危険性を知りながら事態を放置してきた国と使用を続けてきた大企業にあることは明らかです。アスベストによる健康被害や飛散防止などの対策を講じるにあたって、必要な制度の改善と財政措置を国や府に求めるべきです。いかがですか。

<松井副市長>

国に対しては、法改正や財政措置についてすでに要望している。

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障害のある人たちの福祉充実を

次に、障害のある人たちの福祉について質問します。

10月31日、障害者自立支援法が自民党と公明党の賛成で可決されてしまいました。障害が重い人ほど負担が重くなる原則1割負担の応益負担制を導入する今回の法律は、障害のある人が当たり前に生きることを阻み、生命もくらしも脅かすものであり、憲法25条で保障された生存権をもふみにじるとんでもない『自立阻害』法です。障害者や関係者は連日国会に足を運ばれました。「食事やトイレに行くための援助を『益』というのですか。」「所得の保障がないのに負担だけが増やされたら利用回数を減らさなければならない」という関係者の切実な声もきかず、一度廃案になったものをほとんどそのまま通してしまった自民党・公明党の責任は重大です。来年4月から実施といいますが、具体的な中身はまだ示されていないのです。国の責任を放棄し、福祉の根幹を崩す応益負担は断じて許すことはできません。

国が決めた障害者自立支援法によって自治体は大きな影響を受けます。京都市は現在、更生医療や補装具等に所得税70万以下の人については市独自の助成で原則無料としており、市民に喜ばれています。ところが、今年1月の「京都市社会福祉審議会答申」で、更生医療等については「国における「障害者自立支援法」による公費負担医療の見直しを前提としての見直し内容を実施」とされ、市は具体化について今年一年かけて検討するとしています。この市独自の助成をやめ、国の基準にあわせることになれば、二重の負担増を強いることになります。人工透析やペースメーカーなどの更生医療は、障害のある人にとっては障害を除去・軽減し命をつなぐ医療であり、義足・義手、補聴器や車いす、膀胱や直腸機能障害のある方のストマ用装具などの補装具は失われた身体の機能を補う、なくてはならないものです。すべて普通に社会生活を営むために欠かせないものなのです。二〇〇四年9月市会では「ストマ用装具の自治体及び自己負担の軽減を求める意見書」が全会一致で採択されています。国が障害のある人たちに冷たい施策を押し付けようとしている今こそ、市民を守る自治体の姿勢が問われています。現行の施策を継続することを求めます。いかがですか。

<折坂保健福祉局長>

?国の自立支援法は、低所得者や継続利用者にたいする負担軽減が講じられる。独自の無料制度は、社会福祉審議会答申で応分の負担に改めるよう求められている。国の制度改正の趣旨、市の財政など総合的観点から検討する。

さて、発達障害者支援センターが地域の方をはじめ多くの関係者の強い要望がある中十一月1日に開所されました。発達障害といわれる子の親御さんからは大きな期待が寄せられています。自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、など発達障害は、「幼いうちからの療育で社会適応などの面で軽症化できる」「早期診断によって適切な療育を受ける機会を保障すべきだ」と言われています。ところが、わが子の発達が心配で児童福祉センターに相談しても発達診断に1年も待たなければならない。発達検査を受けて療育が必要だといわれても療育を受けられる施設はいっぱいですぐには入れないという状態です。診断を待っている方は2004年度末で約350人、自閉症と診断され療育を待っている方は約520人、今回支援センターができても待機者解消には5〜6年もかかります。今のままでは療育が必要な子らが、必要な時期に適切な指導や援助が受けられません。わが子の子育てに悩み、「1日でも早くいい方法を教えてほしい」と藁をもつかむような親御さんの願いに応えることもできないのです。待機者の早期解消に全力を挙げるよう求めます。また、療育を受けた後の相談を始め、必要な相談に応える機能が求められますが、支援センターの相談体制は、今は1人になっています。これを充実し、安心して相談できるようにすべきです。いかがですか。

<保健福祉局長>

すでに児童福祉センターにH7年から自閉症発達外来を設けており、開設した発達障害者支援センターは、国基準を大きく上回る専任職員配置。併せて17人の職員は政令市で初。自閉症協会との連携にむけ、協議会を設置している。

現在、児童福祉センターからの措置先として児童を受け入れ療育を行っているという点では同じなのに、障害児通所施設と児童デイサービスでは職員配置の基準が違います。児童デイサービスでは障害のある子15人にたった2人の職員の配置という国基準で、全く実態に合っていません。基準が低すぎるといわれている保育所ですら障害のある子5人に1人の職員加配です。職員配置の改善が必要です。また、療育施設は子どもの指導だけでなく、親御さんから電話や飛び込みでの相談も多いのです。職員が足りないからと切実な親御さんの相談を断れるでしょうか。親からの相談対応も職員の配置基準に位置付けて、市独自の努力で療育に必要な職員配置ができるよう財政措置を講ずるべきです。いかがですか。

子どもの療育施設不足も深刻です。本市の「京・子どもいきいきプラン」でも、診断に「多くの待機者が生じている」こと、「療育機関が不足」していることが大きな問題だ、と書かれていますから市長も認識されているでしょう。障害者施策推進プランでは二〇〇七年までに障害児通園事業・重症心身障害児通園事業を一〇箇所にするという目標が設定されています。計画通り施設を増やし、早期発見・早期療育を充実させるべきです。いかがですか。

<保健福祉局長>

児童デイサービスは障害児の健全育成に重要な事業。支援費では重度障害児や保護者からの相談の対応に充分な単価でなく、国に改善を要望している。

プランの目標達成に向けて早期発見・早期療育の充実のため推進を図る。

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民間保育所の一般財源化許さず、体制充実を

次に、保育所について質問します。

京都市は、昨年度子どもたちの楽しみであった保育バスを廃止し、民間保育所の給食費、採暖費、職員の夏期休暇対策費をカットして、今年度は保育料の大幅な値上げで保護者の負担を増やしました。「子育て支援都市・京都」を力説しながら、市長がやられていることは全く逆ではありませんか。入所定員の弾力化のもと、定員の2割増し以上の子どもたちが狭い部屋の中で、朝は早い子で7時過ぎから夜7時まで生活しています。父母の長時間労働で特例保育や延長保育の子どもたちは年々増えています。子どもも忙しい生活をしているので、朝から疲れて登所してきます。年齢が上がっても1対1の関わりが必要な子、情緒が不安定な子なども多く、発達障害といわれる子も増えており、子どもにとってゆったりと過ごせる環境と一人一人への丁寧な対応が求められています。ところが、現場はそう簡単にはいきません。定員外入所で加配された職員は非常勤で、時差出勤のローテーションにも組み込まれています。子どもの年齢に応じた職員配置でも子どもの数が多くなると保育室は落ち着きません。年齢が低いほど大変です。それに職員配置基準どおりの保育士がいるのは昼間の5時間半くらいで朝夕は少ない人数で定数以上の子どもたちを見ているのです。41人の子どもを1人で見ているという資料もあります。保護者とじっくり話したくても、その日の子どもの様子すら伝えるのもままならず、安全に保育するだけで精一杯の状態です。保護者の負担は増えても保育条件は良くならない。地域子育て支援だ、一時保育だと保育所に多様な事業をもとめるけれども必要な予算は削る。こんなやり方で未来を担う子どもたちを健やかに育てられるとお考えですか。一番のしわ寄せは子どもたちにきているのです。「先生、僕のこと見て」「私のお話きいて」という子どもたちの願いも、一人ひとり子どもの声に耳傾けたい、寄り添いたいという保育所の先生たちの願いも踏みにじられています。人的保障があり、大人にゆとりがあってこそていねいな対応ができるのではないですか。国が公立保育所の運営費を一般財源化する中で、自治体の保育所予算は減らされ運営が厳しくなって、宇治市や城陽市などでは民営化された公立保育所もあります。この上に民間保育所運営費までも一般財源化されることになれば、民間保育所が8割を占める京都市では現行の保育水準の確保すら難しい状況になることは必至です。これ以上の保育予算切捨てはさせない、保育を後退させないという決意で、一般財源化をしないように、そして4、5歳児30人に保育士1人など実態にあわない最低基準を改善するように国に求めるべきです。いかがですか。また京都市としても特例保育に対する加配や障害のある子5人に対して保育士1人という加配の改善など必要な職員を実態に合わせ増やすべきです。いかがですか。

<浅野子育て支援政策監>

民間保育所運営費の国庫補助負担金は、最低基準を維持するためのもので、国の責任が果たされるよう一般財源化の動向に注視する。市の保育所運営費は、国基準を700人上まわる配置が可能で、かねてから国に財政措置を要望している。

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西京区に小型循環バスを

最後に地元西京区の問題です。この間、市バスの路線が縮小され、西京区の中でも区役所に行けるバス路線がなくなったり、いまだバスの走ってない不便な地域が多くあります。昨年、境谷に洛西老人福祉センターができ、多くの高齢者の方が利用されています。洛西地域の方だけでなく、西京区東部でも市バス西系統や洛西方面行きのバスが通っている地域の方は多く利用されています。西京区東部には保健所や児童館のそばに西京老人福祉センターがありますが、そこに行くバス路線はなく、利用されているのは近くにお住まいの方が大半だそうです。樫原や川岡の方からは近くにある西京老人福祉センターより遠くても市バス西系統に乗って洛西老人福祉センターに行く方が行き易いと言われています。川岡東や松尾、嵐山東の方はバスのがなく、センターを紹介しても「そんなとこがあってもどうやっていったらええんや」とこぼしておられました。洛西ニュータウンでも新林や桂坂の方は、「境谷まで行くバスがなくて不便だ」と言われています。老人福祉センターは高齢者の方が元気でいきいきと過ごせるための施設です。せっかく施設ができても移動手段がなくて行けないという状態は改善が必要です。老人福祉センターをより多くの高齢者が利用され、地域の中にいきいきと出かけて行かれるためにも、老人福祉センターをはじめ、区役所・病院・図書館などの公共施設やちょっと買い物ができるところへの移動手段が求められています。それは高齢者だけでなく、子どもや障害のある方など誰もが気軽に利用しやすいものとなるはずです。西京区の基本計画にも上げられている、地域を循環する小型バスの運行を求めます。いかがですか。

以上で私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

<島田公営企業管理者・交通局長>

市バスは厳しい経営環境にあるが、管理の受委託や職員削減、市の一般会計からの補助などで路線を維持している。洛西地域は、阪急洛西口駅や京大桂キャンパス等に応じ、大型バスによる路線の新設や増便を行っている。十分な利用が見込めるかを判断し、充実をはかる。

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